だいいち、からだが弱い。
からだの弱い男といふものは、足の惡い馬よりも、もつと世間的の價値が低いやうである。
いつも力無い咳をして、さうして顏色も惡く、朝起きて部屋の障子にはたきを掛け、帚で塵を掃き出すと、もう、ぐつたりして、あとは、一日一ぱい机の傍で寢たり起きたり何やら蠢動して、夕食をすますと、すぐ自分でさつさと蒲團を敷いて寢てしまふ。
だいいち、からだが弱い。
からだの弱い男といふものは、足の惡い馬よりも、もつと世間的の價値が低いやうである。
いつも力無い咳をして、さうして顏色も惡く、朝起きて部屋の障子にはたきを掛け、帚で塵を掃き出すと、もう、ぐつたりして、あとは、一日一ぱい机の傍で寢たり起きたり何やら蠢動して、夕食をすますと、すぐ自分でさつさと蒲團を敷いて寢てしまふ。