と言つて、ことさらに籠の小鳥を雀と限定してゐるところ、また、デハルといふ東北の方言が何の不自然な感じも無く插入せられてゐる點など、やはりこれは仙臺地方の民謠と稱しても大過ないのではなからうかと私には思はれた。
このお爺さんの草庵の周圍の大竹藪にも、無數の雀が住んでゐて、朝夕、耳を聾せんばかりに騷ぎ立てる。
この年の秋の終り、大竹藪に霰が爽やかな音を立てて走つてゐる朝、庭の土の上に、脚をくじいて仰向にあがいてゐる小雀をお爺さんは見つけ、默つて拾つて、部屋の爐傍に置いて餌を與へ、雀は脚の怪我がなほつても、お爺さんの部屋で遊んで、たまに庭先へ飛び降りてみる事もあるが、またすぐ縁にあがつて來て、お爺さんの投げ與へる餌を啄み、糞をたれると、お婆さんは、