日數の經つにつれて雀にも、甘えていい人と、さうでない人との見わけがついて來た樣子で、家にお婆さんひとりしかゐない時には、庭先や軒下に避難し、さうしてお爺さんがあらはれると、すぐ飛んで來て、お爺さんの頭の上にちよんと停つたり、またお爺さんの机の上をはねまはり、硯の水をのどを幽かに鳴らして飮んだり、筆立の中に隱れたり、いろいろに戲れてお爺さんの勉強の邪魔をする。
けれども、お爺さんはたいてい知らぬ振りをしてゐる。
世にある愛禽家のやうに、わが愛禽にへんな氣障つたらしい名前を附けて、
日數の經つにつれて雀にも、甘えていい人と、さうでない人との見わけがついて來た樣子で、家にお婆さんひとりしかゐない時には、庭先や軒下に避難し、さうしてお爺さんがあらはれると、すぐ飛んで來て、お爺さんの頭の上にちよんと停つたり、またお爺さんの机の上をはねまはり、硯の水をのどを幽かに鳴らして飮んだり、筆立の中に隱れたり、いろいろに戲れてお爺さんの勉強の邪魔をする。
けれども、お爺さんはたいてい知らぬ振りをしてゐる。
世にある愛禽家のやうに、わが愛禽にへんな氣障つたらしい名前を附けて、