普通の草原であるが、それでも、ハイキングの服裝凜々しい男女の客は、興奮してゐる。
樹木の幹に「登山記念、何月何日、何某」とナイフで彫つてある文字を見かけることさへあるが、私には笑へない。
二十いくつの石段を登り、だらだらの坂を半丁ほど登り、有頂天の歡喜があるとしたら、市民とは實に幸福なものだと思ふ。
普通の草原であるが、それでも、ハイキングの服裝凜々しい男女の客は、興奮してゐる。
樹木の幹に「登山記念、何月何日、何某」とナイフで彫つてある文字を見かけることさへあるが、私には笑へない。
二十いくつの石段を登り、だらだらの坂を半丁ほど登り、有頂天の歡喜があるとしたら、市民とは實に幸福なものだと思ふ。