個人の品位を保つ上にも貯金は不可缺のものであるのに、更にこのたびの大戰の完勝のために喫緊のものであるのだから、しやれや冗談でなく、この際さらに一段と眞劍に貯蓄の工夫をこらすべきである。
少し辯解めくけれども、私の職業は貯蓄にいくぶん不適當なのではあるまいか、とも思はれる。
はひる時には、年に一度か二度、五百圓、千圓とまとまつてはひるのだが、それを郵便局あるひは銀行にあづけて、ほつと一息ついて、次の仕事の準備などをしてゐる間に、もう貯金がきれいに無くなつてゐる、いつのまにやら、無くなつてゐるのである。