文學ゆゑに、田中君は、いまでもやはり、上品な、氣の弱い、しかも誰よりも正直で、さうしてやつぱりお母さんの佳い子になつてゐるではありませんか。
文學は、人を墮落させるものではないのです、等といま、ここで御母堂に向つて申し上げるやうな氣持で書いてゐると、私も邪心無く、愉快になります。
田中君が戰地から歸つて、私の家に來た時も、戰爭の手柄話は、一言も語りませんでした。
文學ゆゑに、田中君は、いまでもやはり、上品な、氣の弱い、しかも誰よりも正直で、さうしてやつぱりお母さんの佳い子になつてゐるではありませんか。
文學は、人を墮落させるものではないのです、等といま、ここで御母堂に向つて申し上げるやうな氣持で書いてゐると、私も邪心無く、愉快になります。
田中君が戰地から歸つて、私の家に來た時も、戰爭の手柄話は、一言も語りませんでした。