殊に村を出るまでは、顔を知った人たちにあうたびに、顔がぽっと赧くなって、いっそ大きい風呂敷にでも胡弓を包んで来ればよかったと思った。
それは父親が大奮発で買ってくれた上等の胡弓だった。
二人が村を出て峠道にさしかかると、うしろから、がらがらと音がして町へ通ってゆく馬車がやって来た。
殊に村を出るまでは、顔を知った人たちにあうたびに、顔がぽっと赧くなって、いっそ大きい風呂敷にでも胡弓を包んで来ればよかったと思った。
それは父親が大奮発で買ってくれた上等の胡弓だった。
二人が村を出て峠道にさしかかると、うしろから、がらがらと音がして町へ通ってゆく馬車がやって来た。