「木之さん、あんたは大人しいから、たとい五十銭でも貰えば貰っただけ家へ持って来るからええけど、うちの人は呑ん兵衛で、貰ったのはみんな飲んでしまい、まだ足らんで、持っていった銭まで遣ってくるから困るよ。
それで今年はもう止めておくれやとわたしから頼んでいるだよ」
一昨年の正月も去年の正月も、一日門附けしたあとで松次郎が、酒のきらいな木之助を居酒屋へつれこみ、自分一人で飲んで、ついにはぐでんぐでんに酔ってしまい、三里の夜道を木之助が抱くようにして帰って来たのを木之助は思い出した。
「木之さん、あんたは大人しいから、たとい五十銭でも貰えば貰っただけ家へ持って来るからええけど、うちの人は呑ん兵衛で、貰ったのはみんな飲んでしまい、まだ足らんで、持っていった銭まで遣ってくるから困るよ。
それで今年はもう止めておくれやとわたしから頼んでいるだよ」
一昨年の正月も去年の正月も、一日門附けしたあとで松次郎が、酒のきらいな木之助を居酒屋へつれこみ、自分一人で飲んで、ついにはぐでんぐでんに酔ってしまい、三里の夜道を木之助が抱くようにして帰って来たのを木之助は思い出した。