お午までに――木之助は何軒の家がお礼をくれたかはっきり覚えていた――十軒だった。
そしてお礼のお銭は合計で十三銭だった。
最後に味噌屋にゆくと、あの頃からはずっと年とって、今はいい老人になった御主人が、喘息で咳き入りながら玄関に出て来て、松次郎がいないのを見ると、おや、今日はお前一人か、じゃまあ上にあがってゆっくりしてゆけと親切にいってくれた。
お午までに――木之助は何軒の家がお礼をくれたかはっきり覚えていた――十軒だった。
そしてお礼のお銭は合計で十三銭だった。
最後に味噌屋にゆくと、あの頃からはずっと年とって、今はいい老人になった御主人が、喘息で咳き入りながら玄関に出て来て、松次郎がいないのを見ると、おや、今日はお前一人か、じゃまあ上にあがってゆっくりしてゆけと親切にいってくれた。