だがそれらの家々を廻りはじめて四軒目に木之助は深く心の内に失望しなければならなかった。
どの家も、申しあわせたように木之助の門附けを辞った。
帽子屋では木之助が硝子戸を三寸ばかり明けたとき、店の火鉢に顎をのせるようにして坐っていた年寄りの主人が痩せた大きな手を横に振ったので木之助は三寸あけただけでまた硝子戸をしめねばならなかった。
だがそれらの家々を廻りはじめて四軒目に木之助は深く心の内に失望しなければならなかった。
どの家も、申しあわせたように木之助の門附けを辞った。
帽子屋では木之助が硝子戸を三寸ばかり明けたとき、店の火鉢に顎をのせるようにして坐っていた年寄りの主人が痩せた大きな手を横に振ったので木之助は三寸あけただけでまた硝子戸をしめねばならなかった。