また一昨々年まで必ず木之助の門附けを辞らなかった或るしもた家には、木之助があけようとして手をかけた入口の格子硝子に「諸芸人、物貰い、押売り、強請、一切おことわり、警察電話一五〇番」と書いた判紙が貼ってあった。
また或る店屋では、木之助が中にはいって、ちょっと胡弓を弾いた瞬間、声の大きい旦那が、今日はごめんだ、と怒鳴りつけるような声で言ったので、木之助はびくっとして手をとめた。
胡弓の音もびっくりしたようにとまってしまった。
また一昨々年まで必ず木之助の門附けを辞らなかった或るしもた家には、木之助があけようとして手をかけた入口の格子硝子に「諸芸人、物貰い、押売り、強請、一切おことわり、警察電話一五〇番」と書いた判紙が貼ってあった。
また或る店屋では、木之助が中にはいって、ちょっと胡弓を弾いた瞬間、声の大きい旦那が、今日はごめんだ、と怒鳴りつけるような声で言ったので、木之助はびくっとして手をとめた。
胡弓の音もびっくりしたようにとまってしまった。