その時以来彼女はずっとこの家から出ていかなかった。
若かった頃は意地が悪くて、木之助を見ると白い眼をして見下したが嫁いだ先で苦労をして戻ってからは、人が変ったように大人しくなったのである。
「お前さん、しばらく見えなかっただね、一昨年の正月も昨年の正月もなくなられた大旦那が、あれが来ないがどうしたろうと言っておらしたに」
その時以来彼女はずっとこの家から出ていかなかった。
若かった頃は意地が悪くて、木之助を見ると白い眼をして見下したが嫁いだ先で苦労をして戻ってからは、人が変ったように大人しくなったのである。
「お前さん、しばらく見えなかっただね、一昨年の正月も昨年の正月もなくなられた大旦那が、あれが来ないがどうしたろうと言っておらしたに」