新美南吉 『耳』 久助君は鞄を横抱きにして、片手で自転車の荷掛けにつかまり馳け出した。 ゴツゴツと鞄の中の用具が鳴つた。 つぼけ(稲漬)が並んでゐる刈田や、枯草の土堤や、裸の白い木などの冬の景色が、駈けて行く久助君の両側をながれた。 新美南吉の名言・名文を読む 用例を検索する → シェア