泣いたつて、どうしたつて消すことはできないのです。
いま、小さい太郎の胸にひろがつた悲しみは、泣くことのできない悲しみでした。
そこで小さい太郎は、西の山の上に一つきり、ぽかんとある、ふちの赤い雲を、まぶしいものを見るやうに、眉を少ししかめながら、長い間みてゐるだけでした。
泣いたつて、どうしたつて消すことはできないのです。
いま、小さい太郎の胸にひろがつた悲しみは、泣くことのできない悲しみでした。
そこで小さい太郎は、西の山の上に一つきり、ぽかんとある、ふちの赤い雲を、まぶしいものを見るやうに、眉を少ししかめながら、長い間みてゐるだけでした。