杖のやうに細い肢の先は、蹄が二つに割れて、みづみづしいはこべらの緑を蹈んでゐた。
栄蔵は、不思議な戦きが、身内をすつと過ぎるやうな気がした。
まだ赤ん坊だつた時分、お母さんのぬくとい懐中に抱かれて、うとうとしながら聞いた、あの甘い物哀しい子守歌に、ふと行きあつたやうな気がした。
杖のやうに細い肢の先は、蹄が二つに割れて、みづみづしいはこべらの緑を蹈んでゐた。
栄蔵は、不思議な戦きが、身内をすつと過ぎるやうな気がした。
まだ赤ん坊だつた時分、お母さんのぬくとい懐中に抱かれて、うとうとしながら聞いた、あの甘い物哀しい子守歌に、ふと行きあつたやうな気がした。