新美南吉 『良寛物語 手毬と鉢の子』 お母さんは、長い間行燈の光の下で波うつてゐる栄蔵の肩を見つめてゐたが、やがて栄蔵の体をかき起した。 そして栄蔵の、涙に疲れた眼の、奥の奥の深い色を見たとき、栄蔵のほんたうの悲しみが、お母さんにわかつた。 お母さんには、もういふ言葉がなかつた。 新美南吉の名言・名文を読む 用例を検索する → シェア