新美南吉 『良寛物語 手毬と鉢の子』 あの時から一度も穴のふたは、とられなかつたやうに見える。 武士はふたをこじり出して見ると、中に去年の虱は、小さい体が一層小さくなつて死んでゐた。 一年間も何も喰べずにゐたのだから、虫が死ぬのは当りまへだと思つて、武士は虱の死骸を掌にのせた。 新美南吉の名言・名文を読む 用例を検索する → シェア