新美南吉 『良寛物語 手毬と鉢の子』 武士は探してゐる仇敵が笛の名人であつたといふことを落したやうに忘れてゐた。 藪蔭に小さい家があつて、そこから笛の音は流れ出してゐた。 垣根の外から覗いて見ると、家の中には、まだ灯がついてなくて、縁側のすのこの上で武士風の男が一心に笛を吹いてゐた。 新美南吉の名言・名文を読む 用例を検索する → シェア