国許へ帰つても、仇敵を討たなかつた彼は仕官出来ないだらう。
これからどうして生きてゆかうかと、しばらく武士は迷つたが、彼のやうな身よりも家もない人が、よく辿る道にしたがつて、僧侶になつた。
ちやうどその時分、都の近くの或橋が流され、人々が難渋してゐることを知つて、彼は橋をかける費用をあつめるため、人々の喜捨を請ひ歩いた。
国許へ帰つても、仇敵を討たなかつた彼は仕官出来ないだらう。
これからどうして生きてゆかうかと、しばらく武士は迷つたが、彼のやうな身よりも家もない人が、よく辿る道にしたがつて、僧侶になつた。
ちやうどその時分、都の近くの或橋が流され、人々が難渋してゐることを知つて、彼は橋をかける費用をあつめるため、人々の喜捨を請ひ歩いた。