そして、その夜床にはいつて、睡りにつくまでの静かな一ときを、今日一日のことを始めから思ひかへして、たのしかつたのであつた。
このちよつとした出来事は、栄蔵の心に長く残つてゐた。
栄蔵はのちのちまで、海べの岩蔭に、家の者が探しに来るのを、待つてゐたときの心持をよく覚えてゐた。
そして、その夜床にはいつて、睡りにつくまでの静かな一ときを、今日一日のことを始めから思ひかへして、たのしかつたのであつた。
このちよつとした出来事は、栄蔵の心に長く残つてゐた。
栄蔵はのちのちまで、海べの岩蔭に、家の者が探しに来るのを、待つてゐたときの心持をよく覚えてゐた。