妻や子をなくした男の話、夫をなくした妻やその子供の話、遠くの島へ流された父を、はるばると探ねて行く子供の話、飢饉や火事や疫病で一度に大勢の人が死んでいつた話、何となく生きてゐるのが寂しくなつて、他国へあてもなく旅してゆく人の話など……かういふ気の毒な話に、栄蔵はとりわけ心をひかれる。
みな六百年も七百年も昔の話だけれど、それらの人々の悲しみや苦しみが、栄蔵にはほんたうによくわかる。
胸がいたむ位に。
妻や子をなくした男の話、夫をなくした妻やその子供の話、遠くの島へ流された父を、はるばると探ねて行く子供の話、飢饉や火事や疫病で一度に大勢の人が死んでいつた話、何となく生きてゐるのが寂しくなつて、他国へあてもなく旅してゆく人の話など……かういふ気の毒な話に、栄蔵はとりわけ心をひかれる。
みな六百年も七百年も昔の話だけれど、それらの人々の悲しみや苦しみが、栄蔵にはほんたうによくわかる。
胸がいたむ位に。