そして縮の仲買商人になつた今でも、塩沢とか十日町とか小千谷といふやうな、越後でも山の方の町や村から縮を買入れて来ると、この呉服問屋で買つて貰つてゐたのである。
だから、新太郎ちやん一家にとつては、惣兵衛ちやんの家は御主人といふわけだ。
それで、栄蔵が入口の障子をあけて中へはいつた時も、新太郎ちやんは、人に見られることを嫌ふ野良犬みたいに、向かふの家の軒下を、うろうろしてゐたのである。
そして縮の仲買商人になつた今でも、塩沢とか十日町とか小千谷といふやうな、越後でも山の方の町や村から縮を買入れて来ると、この呉服問屋で買つて貰つてゐたのである。
だから、新太郎ちやん一家にとつては、惣兵衛ちやんの家は御主人といふわけだ。
それで、栄蔵が入口の障子をあけて中へはいつた時も、新太郎ちやんは、人に見られることを嫌ふ野良犬みたいに、向かふの家の軒下を、うろうろしてゐたのである。