だから、新太郎ちやん一家にとつては、惣兵衛ちやんの家は御主人といふわけだ。
それで、栄蔵が入口の障子をあけて中へはいつた時も、新太郎ちやんは、人に見られることを嫌ふ野良犬みたいに、向かふの家の軒下を、うろうろしてゐたのである。
「あのう、惣兵衛さんはおいでませんか。
だから、新太郎ちやん一家にとつては、惣兵衛ちやんの家は御主人といふわけだ。
それで、栄蔵が入口の障子をあけて中へはいつた時も、新太郎ちやんは、人に見られることを嫌ふ野良犬みたいに、向かふの家の軒下を、うろうろしてゐたのである。
「あのう、惣兵衛さんはおいでませんか。