あれからしばらくたつた温い日、栄蔵は勉強に疲れた頭を、海から来る新鮮な風にあてて休めるため、波打際の方へおりていつた。
すると引潮の中に、膝のあたりまではいつた新太郎ちやんが、何か棒のやうなものを、水の中へさしこんで、ちやうど石けりの線をひく時のやうな恰好で、ゆるゆると後退りしてゐる姿が小さく見えた。
今日もやはり赤ん坊の妹を脊負つて。
あれからしばらくたつた温い日、栄蔵は勉強に疲れた頭を、海から来る新鮮な風にあてて休めるため、波打際の方へおりていつた。
すると引潮の中に、膝のあたりまではいつた新太郎ちやんが、何か棒のやうなものを、水の中へさしこんで、ちやうど石けりの線をひく時のやうな恰好で、ゆるゆると後退りしてゐる姿が小さく見えた。
今日もやはり赤ん坊の妹を脊負つて。