剃りたての青い頭で、まだ着なれぬ衣を着た栄蔵は、翌朝、風呂敷包を一つ下げて家へやつていつた。
ちやうど家の前で、これから手習にでもゆくらしい、弟の左衛門にすれちがつたが、弟は知らない人だと思つて気にとめず、どんどんゆきすぎようとするので、栄蔵は可笑しくなつて、
「おい、こら左衛門ッ。
剃りたての青い頭で、まだ着なれぬ衣を着た栄蔵は、翌朝、風呂敷包を一つ下げて家へやつていつた。
ちやうど家の前で、これから手習にでもゆくらしい、弟の左衛門にすれちがつたが、弟は知らない人だと思つて気にとめず、どんどんゆきすぎようとするので、栄蔵は可笑しくなつて、
「おい、こら左衛門ッ。