鐘を撞いたあとで、鐘撞堂のあたりでうろうろしてゐることがよくあつた。
また門を閉めにいつて、門の外でぼんやり自分の家の方を見てゐることもあつた。
誰かが来やしないか――弟の左衛門か、それとも懐しいお母さんが来てくれはしないかと、知らずに期待してゐるからであつた。
鐘を撞いたあとで、鐘撞堂のあたりでうろうろしてゐることがよくあつた。
また門を閉めにいつて、門の外でぼんやり自分の家の方を見てゐることもあつた。
誰かが来やしないか――弟の左衛門か、それとも懐しいお母さんが来てくれはしないかと、知らずに期待してゐるからであつた。