新美南吉 『良寛物語 手毬と鉢の子』 同じ港町でも、越後の出雲崎とこの玉島とでは、ずゐぶん違つてゐた。 越後の海は、冬、暗い雲にとざされ、北から来る風が波を捲起した。 波は怒つた牛どものやうに狂ひたち、海岸の巌に向かつて体をぶつつけ、昼も夜も深い呻き声を絶たなかつた。 新美南吉の名言・名文を読む 用例を検索する → シェア