――そんな話は出鱈目だ、もしもそれがほんたうなら、良寛といふ坊主は、大馬鹿野郎だ、雀が肩や手にとまつても、よう捉へないやうなもんは、と武助さんはいひたくてたまらなかつた。
もう口からその言葉が出かかつてゐたが、残念ながら、ちやうどその時、船が向かふ岸に着いてしまつた。
そこには顔色の黒い年とつた坊さんが、寒さうに体を丸くして、膝の上に木の鉢の子をのせて、うづくまつてゐた。
――そんな話は出鱈目だ、もしもそれがほんたうなら、良寛といふ坊主は、大馬鹿野郎だ、雀が肩や手にとまつても、よう捉へないやうなもんは、と武助さんはいひたくてたまらなかつた。
もう口からその言葉が出かかつてゐたが、残念ながら、ちやうどその時、船が向かふ岸に着いてしまつた。
そこには顔色の黒い年とつた坊さんが、寒さうに体を丸くして、膝の上に木の鉢の子をのせて、うづくまつてゐた。