喧嘩になると思つてゐた武助さんは、張合が抜けて、口先だけで、ものをいつてゐたのである。
船が岸に着くと、良寛さんは改めて武助さんにお礼をいつて、寒さにがつがつ慄へながら土堤をのぼつていつた。
だんだん小さくなつてゆく後姿を見送りながら、武助さんは、われを忘れて、船の中に突つ立つてゐたが、やがて、
喧嘩になると思つてゐた武助さんは、張合が抜けて、口先だけで、ものをいつてゐたのである。
船が岸に着くと、良寛さんは改めて武助さんにお礼をいつて、寒さにがつがつ慄へながら土堤をのぼつていつた。
だんだん小さくなつてゆく後姿を見送りながら、武助さんは、われを忘れて、船の中に突つ立つてゐたが、やがて、