普通にはそれを「ぎよつとした」と形容するがその言葉があらはす程シヨツクの烈しいものではなく、何か日頃は奧のほうにしまつてあつて、滅多にとり出すことのない感情のはしに一つの火がしづかに點ぜられ、段々ひろがつてゆくやうな氣持である。
やがて心音が、一つ一つどすんどすんと大きく鳴りはじめるのを覺えた。
落ち着いてゐられなくなつて金太郎は帽子をひつつかみ、そゝくさと別の車へうつつた。
普通にはそれを「ぎよつとした」と形容するがその言葉があらはす程シヨツクの烈しいものではなく、何か日頃は奧のほうにしまつてあつて、滅多にとり出すことのない感情のはしに一つの火がしづかに點ぜられ、段々ひろがつてゆくやうな氣持である。
やがて心音が、一つ一つどすんどすんと大きく鳴りはじめるのを覺えた。
落ち着いてゐられなくなつて金太郎は帽子をひつつかみ、そゝくさと別の車へうつつた。