夕御飯のあとの退屈な時間が来た。
東一君はたんすにもたれて、ひき出しのかんをカタンカタンといわせていたり、店に出てひげを生やした農学校の先生が『大根栽培の理論と実際』というような、むつかしい名前の本を番頭に注文するところを、じっと見ていたりした。
そういうことにも飽くと、また奥の居間にもどって来て、おじいさんがいないのを見すまして、ランプのそばへにじりより、そのほやをはずしてみたり、五銭白銅貨ほどのねじをまわして、ランプの芯を出したりひっこめたりしていた。
夕御飯のあとの退屈な時間が来た。
東一君はたんすにもたれて、ひき出しのかんをカタンカタンといわせていたり、店に出てひげを生やした農学校の先生が『大根栽培の理論と実際』というような、むつかしい名前の本を番頭に注文するところを、じっと見ていたりした。
そういうことにも飽くと、また奥の居間にもどって来て、おじいさんがいないのを見すまして、ランプのそばへにじりより、そのほやをはずしてみたり、五銭白銅貨ほどのねじをまわして、ランプの芯を出したりひっこめたりしていた。