すこしぜいたくな家では、おかみさんが嫁入りのとき持って来た行燈を使うのであった。
行燈は紙を四方に張りめぐらした中に、油のはいった皿があって、その皿のふちにのぞいている燈心に、桜の莟ぐらいの小さいほのおがともると、まわりの紙にみかん色のあたたかな光がさし、附近は少し明かるくなったのである。
しかしどんな行燈にしろ、巳之助が大野の町で見たランプの明かるさにはとても及ばなかった。
すこしぜいたくな家では、おかみさんが嫁入りのとき持って来た行燈を使うのであった。
行燈は紙を四方に張りめぐらした中に、油のはいった皿があって、その皿のふちにのぞいている燈心に、桜の莟ぐらいの小さいほのおがともると、まわりの紙にみかん色のあたたかな光がさし、附近は少し明かるくなったのである。
しかしどんな行燈にしろ、巳之助が大野の町で見たランプの明かるさにはとても及ばなかった。