巳之助は駄賃の十五銭を貰うと、人力車とも別れてしまって、お酒にでも酔ったように、波の音のたえまないこの海辺の町を、珍らしい商店をのぞき、美しく明かるいランプに見とれて、さまよっていた。
呉服屋では、番頭さんが、椿の花を大きく染め出した反物を、ランプの光の下にひろげて客に見せていた。
穀屋では、小僧さんがランプの下で小豆のわるいのを一粒ずつ拾い出していた。
巳之助は駄賃の十五銭を貰うと、人力車とも別れてしまって、お酒にでも酔ったように、波の音のたえまないこの海辺の町を、珍らしい商店をのぞき、美しく明かるいランプに見とれて、さまよっていた。
呉服屋では、番頭さんが、椿の花を大きく染め出した反物を、ランプの光の下にひろげて客に見せていた。
穀屋では、小僧さんがランプの下で小豆のわるいのを一粒ずつ拾い出していた。