立原道造 『夏秋表』 私のもっとも潤沢のこの一刻に、私は、忘れていた春蝉のことを思い出し、この虫とあれと考え比べた。 比べずともよい啼き声だったのである。 草ひばりの声は、純粋な白金で造られた精巧な楽器を稚拙な幼童がもてあそんでいるような、ぎりぎりのイロニイであった。 立原道造の名言・名文を読む 用例を検索する → シェア