それどこでなくカムパネルラは、その雜誌を讀むと、すぐお父さんの書齋から巨きな本をもつてきて、ぎんがといふところをひろげ、まつ黒な頁いつぱいに白い點々のある美しい寫眞を二人でいつまでも見たのでした。
それをカムパネルラが忘れる筈もなかつたのに、すぐ返事をしなかつたのは、このごろぼくが、朝にも午後にも仕事がつらく、學校に出てももうみんなともはきはき遊ばず、カムパネルラともあんまり物を云はないやうになつたので、カムパネルラがそれを知つて氣の毒がつてわざと返事をしなかつたのだ。
さう考へるとたまらないほど、じぶんもカムパネルラもあはれなやうな氣がするのでした。