川下の向う岸に青く茂つた大きな林が見え、その枝には熟してまつ赤に光る圓い實がいつぱい、その林のまん中に高い高い三角標が立つて、森の中からはオーケストラベルやジロフオンにまじつて何とも云へずきれいな音いろが、とけるやうに浸みるやうに風につれて流れて來るのでした。
青年はぞくつとしてからだをふるふやうにしました。
だまつてその譜を聞いてゐると、そこらにいちめん黄いろや、うすい緑の明るい野原か敷物かがひろがり、またまつ白な臘のやうな霧が太陽の面を擦めて行くやうに思はれました。
川下の向う岸に青く茂つた大きな林が見え、その枝には熟してまつ赤に光る圓い實がいつぱい、その林のまん中に高い高い三角標が立つて、森の中からはオーケストラベルやジロフオンにまじつて何とも云へずきれいな音いろが、とけるやうに浸みるやうに風につれて流れて來るのでした。
青年はぞくつとしてからだをふるふやうにしました。
だまつてその譜を聞いてゐると、そこらにいちめん黄いろや、うすい緑の明るい野原か敷物かがひろがり、またまつ白な臘のやうな霧が太陽の面を擦めて行くやうに思はれました。