わたくしは大急ぎでネクタイを結んで新らしい夏帽子を被って外へ出ました。
わたくしどもがこの前別れたところへ来たころは丁度夕方の青いあかりが、つめくさにぼんやり注いでいて、その葉の爪の痕のやうな紋も、もう見えなくなりかかったときでした。
ファゼーロは爪立てをしてしばらくあちこち見まわしていましたが、俄かに向うへ走って行きました。
わたくしは大急ぎでネクタイを結んで新らしい夏帽子を被って外へ出ました。
わたくしどもがこの前別れたところへ来たころは丁度夕方の青いあかりが、つめくさにぼんやり注いでいて、その葉の爪の痕のやうな紋も、もう見えなくなりかかったときでした。
ファゼーロは爪立てをしてしばらくあちこち見まわしていましたが、俄かに向うへ走って行きました。