ファゼーロがちょっと立ちどまって右手の草の中を指さしました。
そこの草穂のかげに小さな小さなつめくさの花が、青白くさびしそうにぽっと咲いていました。
俄かに風が向うからどうっと吹いて来て、いちめんの暗い草穂は波だち、私のきもののすきまからは、その冷たい風がからだ一杯に浸みてきました。
ファゼーロがちょっと立ちどまって右手の草の中を指さしました。
そこの草穂のかげに小さな小さなつめくさの花が、青白くさびしそうにぽっと咲いていました。
俄かに風が向うからどうっと吹いて来て、いちめんの暗い草穂は波だち、私のきもののすきまからは、その冷たい風がからだ一杯に浸みてきました。