「とっといで。
雪童子が丘をのぼりながら云いますと、一疋の雪狼は、主人の小さな歯のちらっと光るのを見るや、ごむまりのようにいきなり木にはねあがって、その赤い実のついた小さな枝を、がちがち噛じりました。
木の上でしきりに頸をまげている雪狼の影法師は、大きく長く丘の雪に落ち、枝はとうとう青い皮と、黄いろの心とをちぎられて、いまのぼってきたばかりの雪童子の足もとに落ちました。
「とっといで。
雪童子が丘をのぼりながら云いますと、一疋の雪狼は、主人の小さな歯のちらっと光るのを見るや、ごむまりのようにいきなり木にはねあがって、その赤い実のついた小さな枝を、がちがち噛じりました。
木の上でしきりに頸をまげている雪狼の影法師は、大きく長く丘の雪に落ち、枝はとうとう青い皮と、黄いろの心とをちぎられて、いまのぼってきたばかりの雪童子の足もとに落ちました。