犬はさきに立って崖を横這いに走ったりざぶんと水にかけ込んだり淵ののろのろした気味の悪いとこをもう一生けん命に泳いでやっと向うの岩にのぼるとからだをぶるぶるっとして毛をたてて水をふるい落しそれから鼻をしかめて主人の来るのを待っている。
小十郎は膝から上にまるで屏風のような白い波をたてながらコンパスのように足を抜き差しして口を少し曲げながらやって来る。
そこであんまり一ぺんに言ってしまって悪いけれどもなめとこ山あたりの熊は小十郎をすきなのだ。
犬はさきに立って崖を横這いに走ったりざぶんと水にかけ込んだり淵ののろのろした気味の悪いとこをもう一生けん命に泳いでやっと向うの岩にのぼるとからだをぶるぶるっとして毛をたてて水をふるい落しそれから鼻をしかめて主人の来るのを待っている。
小十郎は膝から上にまるで屏風のような白い波をたてながらコンパスのように足を抜き差しして口を少し曲げながらやって来る。
そこであんまり一ぺんに言ってしまって悪いけれどもなめとこ山あたりの熊は小十郎をすきなのだ。