天気のいゝ日に、嘉十も出かけて行きました。
糧と味噌と鍋とをしよつて、もう銀いろの穂を出したすすきの野原をすこしびつこをひきながら、ゆつくりゆつくり歩いて行つたのです。
いくつもの小流れや石原を越えて、山脈のかたちも大きくはつきりなり、山の木も一本一本、すぎごけのやうに見わけられるところまで来たときは、太陽はもうよほど西に外れて、十本ばかりの青いはんのきの木立の上に、少し青ざめてぎらぎら光つてかかりました。
天気のいゝ日に、嘉十も出かけて行きました。
糧と味噌と鍋とをしよつて、もう銀いろの穂を出したすすきの野原をすこしびつこをひきながら、ゆつくりゆつくり歩いて行つたのです。
いくつもの小流れや石原を越えて、山脈のかたちも大きくはつきりなり、山の木も一本一本、すぎごけのやうに見わけられるところまで来たときは、太陽はもうよほど西に外れて、十本ばかりの青いはんのきの木立の上に、少し青ざめてぎらぎら光つてかかりました。