しいんとして何の返事もありませんでした。
一郎はたまらなくなってもう足の痛いのも忘れてはしり出しました。
すると俄かに風が起って一郎のからだについてゐた布はまっすぐにうしろの方へなびき、一郎はその自分の泣きながらはだしで走って行ってぼろぼろの布が風でうしろへなびいてゐる景色を頭の中に考へて一そう恐ろしくかなしくてたまらなくなりました。
しいんとして何の返事もありませんでした。
一郎はたまらなくなってもう足の痛いのも忘れてはしり出しました。
すると俄かに風が起って一郎のからだについてゐた布はまっすぐにうしろの方へなびき、一郎はその自分の泣きながらはだしで走って行ってぼろぼろの布が風でうしろへなびいてゐる景色を頭の中に考へて一そう恐ろしくかなしくてたまらなくなりました。