立ち上がる時に向うを見ると、路から左の方にバケツを伏せたような峰が聳えている。
杉か檜か分からないが根元から頂きまでことごとく蒼黒い中に、山桜が薄赤くだんだらに棚引いて、続ぎ目が確と見えぬくらい靄が濃い。
少し手前に禿山が一つ、群をぬきんでて眉に逼る。
立ち上がる時に向うを見ると、路から左の方にバケツを伏せたような峰が聳えている。
杉か檜か分からないが根元から頂きまでことごとく蒼黒い中に、山桜が薄赤くだんだらに棚引いて、続ぎ目が確と見えぬくらい靄が濃い。
少し手前に禿山が一つ、群をぬきんでて眉に逼る。