気持がわるいから、帽を傾けて、すたすた歩行く。
茫々たる薄墨色の世界を、幾条の銀箭が斜めに走るなかを、ひたぶるに濡れて行くわれを、われならぬ人の姿と思えば、詩にもなる、句にも咏まれる。
有体なる己れを忘れ尽して純客観に眼をつくる時、始めてわれは画中の人物として、自然の景物と美しき調和を保つ。
気持がわるいから、帽を傾けて、すたすた歩行く。
茫々たる薄墨色の世界を、幾条の銀箭が斜めに走るなかを、ひたぶるに濡れて行くわれを、われならぬ人の姿と思えば、詩にもなる、句にも咏まれる。
有体なる己れを忘れ尽して純客観に眼をつくる時、始めてわれは画中の人物として、自然の景物と美しき調和を保つ。