草山の向うはすぐ大海原でどどんどどんと大きな濤が人の世を威嚇しに来る。
余はとうとう夜の明けるまで一睡もせずに、怪し気な蚊帳のうちに辛防しながら、まるで草双紙にでもありそうな事だと考えた。
その後旅もいろいろしたが、こんな気持になった事は、今夜この那古井へ宿るまではかつて無かった。
草山の向うはすぐ大海原でどどんどどんと大きな濤が人の世を威嚇しに来る。
余はとうとう夜の明けるまで一睡もせずに、怪し気な蚊帳のうちに辛防しながら、まるで草双紙にでもありそうな事だと考えた。
その後旅もいろいろしたが、こんな気持になった事は、今夜この那古井へ宿るまではかつて無かった。