わたしは車にのせられて、わたしのうたった歌のうつくしさに酒のやうに醉ひ、みんなのほめることばや、わたしを埋める花の雨にわれを忘れて胸を鳴らしてゐたが、夜更けてわたしは長者のルダスの家を辭して、きらきらした草の露を踏みながら、わたしの貧しい母親のもとに戻ってゐたら、俄かに月天子の座に瑪瑙の雲がかかりくらくなったので、わたくしがそれをふり仰いでゐたら、誰かがミルダの森で斯うひそひそ語ってゐるのを聞いた。
(わかもののスールダッタは、洞に封ぜられてゐるチャーナタ老龍の歌をぬすみ聞いて、それを今日歌の競べにうたひ、古い詩人のアルタを東の國に去らせた。
わたしはどういふわけか足がふるへて思ふやうに歩けなかった。