向ふでは何を考へてゐるのかあの一ばんの姉が小さな妹を自分の胸によりかゝらせて睡らせながら黒い瞳をうっとりと投げて何を見るでもなしに考へ込んでゐるのでしたしカムパネルラはまださびしさうにひとり口笛を吹き二番目の女の子はまるで絹で包んだ苹果のやうな顔いろをしてジョバンニの見る方を見てゐるのでした。
突然たうもろこしがなくなって巨きな黒い野原がいっぱいにひらけました。
新世界交響楽は地平線のはてから湧き一人のインデアンが白い鳥の羽根を頭にかざりたくさんの石を腕と胸にかざり小さな弓に矢を番へて一目散に汽車を追って来るのでした。