第一は絶対派ともいふべく動物質のものは全く喰べてはいけないと、獣や魚やすべて肉類はもちろんミルクや、またそれからこしらえたチーズやバター、菓子の中でも鶏卵の入ったカステーラなど、一切いけないといふ考の人たち、日本ならばまあ、一寸鰹のだしの入ったものもいけないといふ考のであり第二は折〔衷〕派とも〔数文字分空白〕チーズやバターやミルク、それから卵などならば、さし支へない、といふ、割合温健な考である。
ところが第三は大乗派ともいふべくいくら物の命をとらない、自分ばかりさっぱりしてゐると云ったところで、そのため誰かゞもっと迷惑してゐては、何にもならない、結局はほかの動物がかあいさうだからたべないのだ、もしある動物がほかのたくさんの動物の敵であるときはそれは食ってもいゝといふことになってゐて、今までの調査では鰯を食ふ鯨、猛禽類則ち鷹、ふくらふみゝづく、それからどぜうをたべる鷺のごときもの殊に所謂益鳥といはれてゐるものは〔悉〕く沢山の虫類を食ふことを特徴としてゐるから差支えなく魚でも、鮎のごときは硅藻をたべてゐるのでじつに可哀さうなものであり鰻や鯉のごときはその鮎をはじめとしてあらゆる川中の小魚を食ふから断じてとって食っていゝといふのである。
肉食獣則ち、獅子、虎、豹の類、最后にこれらのものを食べる人間則ち主義者自身ももし需要があれば絶対に食はれることを避けてはいけないといふ規則である〔。