美術家だのにと云われると恐縮するが、実のところ、余がこの楽器における智識はすこぶる怪しいもので二が上がろうが、三が下がろうが、耳には余り影響を受けた試しがない。
しかし、静かな春の夜に、雨さえ興を添える、山里の湯壺の中で、魂まで春の温泉に浮かしながら、遠くの三味を無責任に聞くのははなはだ嬉しい。
遠いから何を唄って、何を弾いているか無論わからない。
美術家だのにと云われると恐縮するが、実のところ、余がこの楽器における智識はすこぶる怪しいもので二が上がろうが、三が下がろうが、耳には余り影響を受けた試しがない。
しかし、静かな春の夜に、雨さえ興を添える、山里の湯壺の中で、魂まで春の温泉に浮かしながら、遠くの三味を無責任に聞くのははなはだ嬉しい。
遠いから何を唄って、何を弾いているか無論わからない。