夏目漱石 『草枕』 余はこの灯籠を見詰めるのが大好きであった。 灯籠の前後には、苔深き地を抽いて、名も知らぬ春の草が、浮世の風を知らぬ顔に、独り匂うて独り楽しんでいる。 余はこの草のなかに、わずかに膝を容るるの席を見出して、じっと、しゃがむのがこの時分の癖であった。 夏目漱石の名言・名文を読む 用例を検索する → シェア